なぜサイバー攻撃をするハッカーは、必ずビットコインでの支払いを要求するのか?

2018年08月17日 更新


Blockchain

概要

 ポイント


 12日に全世界であった病院や企業を狙ったサイバー攻撃での身代金はビットコインを通じて取引された。

 ビットコインは追跡するのが簡単ではないから、ハッカーの身代金に使われやすい。

 ビットコインはその課題の多さにも関わらず、オーストラリアはじめとする国は積極的にそれを取り入れようとしている。

この記事は为什么勒索病毒黑客非要比特币支付?」の内容を翻訳したものになります。


 今週の金曜日(5月12日)の夜からコンピューターを使えなくするウィルスが現在世界各地に広まっていて、現在のところ100に近いの国と地域で数万台のコンピューターが攻撃を受けた。ハッカーはコンピューターのファイルをロックし、300ドルほどのビットコインの支払いと引き換えにロックを解除することを要求している。

 今回のニュースを受けて、ビットコインは4月29日以来の上昇してきた相場も終わりを迎えた。ビットコインとドルの建て替えを行なっているプラットフォーム OKCoin の国際データによれば、アメリカのビットコインは14日に及ぶ相場の上昇が終わり、5月12日には6.42%の下落で一番高い時には1854ドルだった相場が1735ドルにまで下落した。13日には少し上昇し、価格は再び1750ドルにまで近づいた。また OKCoinのデータによると、13日にはサイバー攻撃というニュースのショックを受けたにも関わらず、中国のビットコインの価格は3.15%下でいまだに10000人民元は下回らず10500人民元前後となっている。

 記者の締め切り現在の時間では、この「WannaCry」というランサムウェアは全世界で99の国と地域で7.5万台を超えるコンピューターが被害を受けている。

 しかし、大勢の人がビットコインやその他の仮想通貨の安全性及びそのいわゆる「分権化」の抜け穴に疑問を抱く中、多くのビットコインの投資家やブロックチェーンに携わる人は私たちの記者に対して、「今回のサイバー攻撃はビットコインとは直接関係なく、ハッカーはただビットコインが全世界の送金で使われていることとその分権化・匿名性などの特徴に注目し、ビットコインを使った支払いを求めていているだけだ」と述べた。

 「ある意味で見れば、今回の全世界的なサイバー攻撃はビットコインの1つの利用方法なのだろう」とあるビットコインに詳しい投資家は私たちの記者に述べた。

・なぜビットコインなのか?


 実際上、今回のようなウィルスは1980年にはすでに存在していた。Cyence の資料によると、ハッカーは度々病院や企業などのセキュリティーのレベルが高くない場所を狙い、毎回平均で500〜1000ドルの支払いを要求している。ビットコインの存在でサイバー攻撃を使った脅迫はクレジットカードなどを偽造する犯罪よりも低資金・低リスクで行えるようになりました。

 多くのビットコインの投資家は記者に対して、「今回のウィルスが攻撃する目的はビットコインとは直接の関係はなく、業界の人はビットコインが「危ないもの」と認識されることを恐れている。ハッカーがビットコインを使った支払いを要求するのは、それが世界的な送金に優れていることが支払いの手段に選ばれたことと関係している」と述べた・

 他のビットコイン投資家は今回の件について「ビットコインがサイバー攻撃の恐喝に利用されたのは、他の伝統的な支払い手段と比べて優れているだけでなく、同時に仮想通貨の中でも最も選択されたものであるからだ。ビットコインには、まずハッカーの身分を隠してくれる秘匿性・地域に限定されず世界規模で集金を行える規模感、と同時にその分権化の特徴があるので、ハッカーはプログラミングを通じて自動的に被害者の支払いを処理することができる。そして他のデジタル通貨と比べても、ビットコインは優れた流動性を備えた最大の市場規模を保有しているのもハッカーの人気を集める要因だ。これは現実の犯罪者がドルを使うのと同じような理屈がある。」とも述べた。

 しかし、ビットコインの優勢には抜け穴もあり、そのトランザクションの処理効率と匿名性には最も理想的なものではないという見方も存在する。匿名性で言えば、ビットコインを使う時にはその取引は匿名であるものの、取引を行った人は実際には追跡できる。
 「ビットコインの取引は実際は透明なものである。が、送金時には受け取る人の身分証明のデータを送ることはないので、送金されたお金の使う時のIPアドレスを材料に追跡することになるだろう。ビットコインの取引が全ネットワークで行われているという特徴が、その全ての取引の内容をどこからでも見れるということを可能にしている。例えば blockchain.info などのサイトから取引額などの詳細な取引情報を調べることができる。ハッカーが公開した1つの集金場所は、5月13日の夜6時に合計で23回のビットコインでの行なった送金で、1回ごとに0.17BTC(ビットコインの単位)ほど、合計で4.26BTC(価値にして7455ドル)を送金した。FBIの捜査によると、送金時に追跡に対する防備をしていない使用者(例えばTorというソフトウェアを使ってアクセスを匿名化するなどを)を除けば、その他の多数の人は身元を割り出すことができる。」と1人のブロックチェーンの有識者が記者に教えてくれた。しかしハッカーが回収したビットコインを使わないでいれば、身分を追跡することはできないだろう。

 上で述べたブロックチェーンの有識者はハッカーが行なった23の取引を調べて、被害者のコンピューターのIPアドレスと送金に使われたコンピューターのIPアドレスには実際の相関関係がないことを発見した。ハッカーが実は被害者に送金をしたと同時にその壊れたコンピューターの情報を一緒に送ることを指示していないことを見るに、ハッカーはどのコンピューターの持ち主がビットコインを送金したかを把握しておらず、送金情報とコンピューターの相関関係を知らない以上は、ビットコインを受け取ってもハッカーはコンピューターの修復を行うことができないだろう。

 もしそうなら、今回の恐喝を目的としてサイバー攻撃は本当の恐喝ではなく、そのためビットコインはこの「センセーショナルな事件」を引き起こした人の1つの道具として使われたに過ぎないのかもしれない。

 実際、恐喝以外に、一部のダークネットワーク(普通の通信ではアクセスできないネットワーク)で行われている例えばマネーロンダリング・違法取引・外国為替への移動などといった犯罪でも匿名性を持ったビットコインが利用されている。例えば、2013年10月にビットコインを使って匿名違法の売買のプラットフォームを運営していた Silk Road がアメリカの法執行機関の操作を受け、同時に見つかった26000BTC、当時のドルにして360万ドルの差し押さえが行われた。プラットフォームの創始者で運営者であるロス・ウィリアム・ウルブリヒトは、 学位の専攻中の前科のない29歳の若者でありながら、インターネット上では「Dread Pirate Roberts」というもう1つの姿で活躍し、たった2年の間でSilk Roadを世界最大規模の闇市場にし、100万人のアカウントを所有し、総売上は12億ドルにまで上りつめた。このプラットフォーム上では、偽パスポート、偽運転免許、違法ハッキングシステムや情報侵害、毒物売買、武器などのサービスをビットコインのみを通じて支払いを完了させていた。ビットコインの匿名性の特徴を活かし、犯罪者は銀行カードに残った1つ1つの記録から追跡されることを「完全に」回避しようとしている。

 そのため、ビットコインはマネーロンダリングや資産の違法な移動に使われている。例えば人民元でビットコインを買い、それを海外のプラットフォームでドルに建て替えらば、何分も経たずに資産の転移を行うことができる。

・「使われれば使われるほど、価値が下がる」ことがビットコインの値段を急騰させた


 もしかしたらハッカー達はついでにビットコインで投資したいと考えているかもしれない。

 「私は最近ビットコインとライトコイン(別のブロックチェーン技術を使った仮想通貨)を入手する準備をしているが、今がそれを買う一番のチャンスであると私は思う」とあるビットコインの投資家が今回のサイバー攻撃を通じて記者に伝えた。他のある投資家も「ビットコインは今日1日で10%近く下がったが、これは購入するためのいいチャンスだった。このようなニュースは短期的な価格の下落を引き起こすが、長期的に見れば基本的に価格は上向く」と述べている。

 サイバー攻撃のニュースと価格変動に対して投資家の心はほとんど影響されていない。しかしビットコインが急騰する状況は、別の方面から各種の問題を引き起こそうとしている。

 ビットコインはその定義を確かめる段階だった頃から後、ずっと幸運に恵まれてきた。5月以来ビットコインの価格は1800ドルを突破し、中国でも10000人民元を超えた。ビットコインの価格を上げている要因はたくさんあるが、最も根本的な原因はその特有の希少性にあるだろう。

 「ビットコインが設立された当時は、技術上数学とコンピューターソフトウェアの原理を使ってビットコインの発行量の定数を保証してきたが、現在のその総量の伸びはとても遅いものになっている。最終的な上限である2100万BTCに向けて、毎ブロックで10分毎に新しく作られるビットコインは開始当初の50BTCから現在は12.5BTCになっている。ビットコインは本質的に一種の「デフレ」であり、発明者の初心によれば、中央銀行による紙幣の濫発が引き起こすインフレの問題をある程度無くすために、この電子通貨のシステムで貨幣市場のバランスを取ろうとしている。」と上で述べたブロックチェーンの有識者人は述べる。

 世界的に見れば、ビットコインでの取引をする人は近年ずっと増え続けていて、アクティブユーザーは2013年平均の160万人から現在では870万人にまでなろうとしている。にも関わらず新しく出来るビットコインの金額が取引の金額を超えられない状況では、必然的に需要に供給が追いつかない状況が生まれる。このような条件もビットコインの値段が急騰する一因にもなっている。

 火币网(ブロックチェーン技術を使ったプラットフォームを提供している中国企業)の特別分析師は、「4月以来、国際上のビットコインに対する1つ1つのニュースがビットコインの相場の浮き沈みを決めている。4月1日に日本は「支払いサービス修正法案」が施行し、ビットコインなどの仮想通貨の支払いに合法性を与えた。結果として日本では26万社に及ぶ会社がビットコインを使った支払いを受け入れることになった。」

 最近の数日のことで言えば、5月10日にアメリカ証券取引委員会がビットコインETFをレビューしたことも相場と深い関係性もある。もしビットコインETFがアメリカ証券取引所委員会のチェックを通り上場すれば、これはビットコインが世界的な投資対象としての地位を得たことを意味する。

 すでにオーストラリアは2017年7月1日にはビットコインを貨幣とみなし、さらにビットコインが商品に与える消費税を無くすことになった。ビットコインで取引をする人及び投資家は、取引所と取り引きプラットフォームの管理を受けた後で、ビットコインの購入と販売に課税は行われないようになる。

 ブロックチェーンの技術の認知が上がっていることもビットコインの値段の急騰の原因の1つになっている。あるビットコインの投資家は「デジタル貨幣自体はブロックチェーンを理解するための一番の道具で、現在より多くの人がデジタル通貨の方法を通してブロックチェーンを理解するようになるだろう。大げさだが今回のようなサイバー攻撃のようにビットコインが利用される場所が増えるにしたがって、投資家がビットコインを購入する機会は増えていくだろう」と笑いながら語った。

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